![]() イオントラップの空間電荷を低減するための方法および装置
专利摘要:
イオントラップの過剰充填により引き起こされる電荷空間効果に効果的に対処するためのイオントラップ装置および方法であって、質量分析計の線形イオントラップにおいて有用である装置および方法。一実施形態では、まず、LITを充填すると、LIT内に小トラップ電位が産生され、次いで、過剰イオンは、LITを退出することが可能になり、次いで、質量スペクトルの収集のためのLITからのイオンのさらなる操作および/または走査の前に、通常のトラップ条件を再確立する。 公开号:JP2011510434A 申请号:JP2010540630 申请日:2008-11-19 公开日:2011-03-31 发明作者:ブルース;エー. コーリングズ, 申请人:ディーエイチ テクノロジーズ デベロップメント プライベート リミテッド; IPC主号:H01J49-42
专利说明:
[0001] (関連出願の引用) 本願は、米国特許出願第12/272,998号(2008年11月18日出願)の継続であり、米国仮出願第61/017,203号(2007年12月28日出願)の利益を主張する。上記2つの出願の全内容は、参照により本明細書に引用される。] 背景技術 [0002] 質量分析計に用いられるもの等のイオントラップは、分析技法において広く使用されている。全てのイオントラップシステムに共通の問題の1つとして、イオントラップの相対過剰充填によりもたらされる過剰空間電荷と、空間電荷により露呈される干渉とが挙げられ、これによって、トラップイオンから得られる質量スペクトルが歪められる。特に、このような歪みは、いくつかのトラップ走査技法において顕著である。4000Q Trapシステム(Applied Biosystems)等の質量分析計では、最も空間電荷を受けるトラップ走査モードは、強化型質量スペクトル(EMS)モードであり、程度は小さいが、空間電荷問題は、強化型分解能(ER)モードにおいても直面する。] 発明が解決しようとする課題 [0003] 質量分析方法が継続的に進化するにつれて、分解能の改善による分析効率を改善する最近の手法の1つは、感度を改善するために、より明るいイオン源を開発することにあった。しかしながら、作製されるイオン源が明るくなり、かつその使用が広まるにつれて、空間電荷の関連する増加に対処するための必要性がより重要になる。このような空間電荷効果を回避するために用いられているいくつかの手法は、電位をイオントラップのイオン光学系の上流に変調することによって、すなわち、イオン光学系をパルスまたはデフォーカスすることによって、イオントラップの充填時間を最小化し、および/またはイオン源からのイオンビームのデューティサイクルを低減することを含む。しかしながら、これらの全ては、あらゆる事例において効率的な分析を可能にする解決法ではない。結果として、イオントラップ空間電荷に対処するための追加のまたは代替の方法および装置を提供することが有利になるであろう。] 課題を解決するための手段 [0004] 種々の実施形態では、本開示は、イオントラップにおける空間電荷効果に対処するための異なる技法を説明する。本技法は、LIT内におけるトラップ電位を操作して、過剰イオンを除去することが可能であり、これによって、特定の分析実行が空間電荷効果を受けるリスクを低下させるという見解に基づく。種々の実施形態では、まず、LITを充填すると、LIT内に小トラップ電位が産生され、次いで、過剰イオンは、LITを退出することが可能になり、次いで、質量スペクトルの収集のためのLITからのイオンのさらなる操作および/または走査の前に、通常のトラップ条件を再確立する。本開示は、以下をさらに提供する。] [0005] 質量分析装置は、(1)第1の4重極と、出口レンズと、第1の4重極と出口レンズとの間に配置される線形イオントラップとを有し、線形イオントラップは、線形イオントラップの少なくとも2つの異なる区域を画定する少なくとも2つの異なって増強されるゾーンを含む井戸変調器4重極を有し、線形イオントラップが、線形イオントラップの少なくとも2つの異なる区域において交互または同時に電位井戸を形成するように動作可能であり、区域は、第1の4重極に近い近位区域と、出口レンズに近い遠位区域とを含み、線形イオントラップは、第1の4重極から遠位区域に形成される井戸内にイオン集団を装填することが可能である動作が可能であり、井戸変調器4重極の異なって増強されるゾーンの電位の操作によって、これらのイオンのいくつかは、近位区域に形成される井戸を通過することによって、第1の4重極に戻って移行可能であり、近位区域井戸は、これらのイオンの画分を保持し、これによって、線形イオントラップの過剰充填を防止する。例えば、図3A〜図3Dを参照されたい。] 図3A 図3B 図3C 図3D [0006] このような装置は、線形イオントラップに協働し得るように連結されるプログラム可能な制御器であって、 (1)線形イオントラップを、第1の4重極の電位よりも低い電位に保持し、線形イオントラップの遠位区域における電位井戸は、その近位区域の電位未満の電位を有し、これによって、第1の4重極から線形イオントラップへのイオンの移行を可能にすることと、 (2)線形イオントラップの電位を、第1の4重極の電位よりも高いレベルに上昇させ、近位区域の電位を減少させて、その上流端部において、より高い電位壁により部分的に画定される近位区域井戸を形成することと、 (3)遠位区域井戸の電位を、井戸の電位とほぼ同じか、またはそれを上回るレベルまで上昇させて、これにより、遠位区域井戸から第1の4重極にイオンを移行し、遠位区域井戸から近位区域井戸にイオンの画分を移行することと によって、線形イオントラップの区域の電位を、出口レンズの電位未満のレベルに制御器が操作するための命令を備えるアルゴリズムでプログラミングされる制御器をさらに含む。] [0007] このような装置では、アルゴリズムは、(4)ステップ(3)の後に、近位区域の電位を上昇させるか、遠位区域の電位を減少させて、近位区域から遠位区域にイオンを移行する命令をさらに含み、このような装置では、(5)ステップ(4)の後に、検出器における検出のために、線形イオントラップからのイオンを走査する命令をさらに含む。] [0008] このような装置では、アルゴリズムは、ステップ(3)によりそこに戻って移行された結果として、第1の4重極に保持されるイオンの装填および処理を可能にするように、ステップ(1)〜(3)を繰り返す命令をさらに含む。] [0009] このような装置では、プログラム可能な制御器は、第1の4重極に協働し得るようにさらに連結され、制御器は、制御器がその電位を操作する命令を含むアルゴリズムによりプログラミングされる。] [0010] このような装置では、井戸変調器4重極は、1つのトラップ4重極ロッド組と、トラップ4重極のロッドよりも短い少なくとも1つの組の4つの短い補助電極とを有する補助電極補充4重極ロッド組を含み、短い電極の各々は、その組の他の短い電極に実質的に平行に配置され、4重極の異なる対のロッドの間の空間に位置し、組の短い電極は、出口レンズの平面から軸方向に等距離に、かつトラップ4重極の中心軸から半径方向に等距離に位置して、線形イオントラップ4重極内の短い線形ゾーンを形成し、補助電極の各組は、線形イオントラップの他の要素から独立して電気的に増強され、これによって、トラップ4重極ロッド組に沿って、少なくとも2つの異なって増強されるゾーンが画定される。] [0011] このような装置では、井戸変調器4重極は、少なくとも2つの区分の区分4重極を備え、各区分は、線形イオントラップの他の要素から独立して電気的に増強され、これによって、区分4重極に沿って少なくとも2つの異なって増強されたゾーンが画定される。] [0012] 質量分析のための方法は、 (I)機器の第1の4重極と、その出口レンズとの間に位置する線形イオントラップを有する質量分析装置を提供するステップであって、線形イオントラップは、第1の4重極に近い近位区域とレンズに近い遠位区域とを含む少なくとも2つの区域を含み、区域の各々は、他方の区域とは異なって電気的に増強されるステップと、 (II)第1の4重極から線形イオントラップにイオンを移行するように、質量分析計を動作するステップと、 (III)それに隣接する線形イオントラップの領域の電位よりも低い電位に維持される線形イオントラップの第1の区域において、移行されるイオンをトラップするステップと、 (IV)トラップ区域から隣接する第1の4重極へイオンを移行するため、および線形イオントラップのその隣接領域の電位よりも低い電位に維持されるトラップの第2の区域においてイオンの画分を保持するために、線形イオントラップ内の電位を調整するステップであって、第2の区域は、ステップ(III)における第1の区域と同一であるか、または異なるステップと を伴う。] [0013] このような方法では、ステップ(II)における移行するステップは、隣接部分が、線形イオントラップの電位よりも高い電位を有するように、(1)線形イオントラップと、(2)線形イオントラップに隣接する第1の4重極の一部分との電位を維持することを伴う。] [0014] このような方法は、(V)線形イオントラップからのステップ(IV)のイオンの画分を走査するステップと、そこから放出されるイオンを検出するステップとをさらに伴い、これによって、本方法は、放出されたイオンからの対象イオンの検出において、空間電荷干渉を実質的に低減する。] [0015] このような方法では、ステップ(IV)において、第2の区域は、第1の区域とは異なる。このような方法では、ステップ(IV)において、第2の区域は、線形イオントラップの近位区域であり、第1の区域は、遠位区域である。] [0016] このような方法では、ステップ(IV)において線形イオントラップのトラップ区分から第1の4重極に移行されるイオンは、その4重極に保持され、本方法は、線形イオントラップが走査してそこからイオンを空にした後に、保持されたイオンを線形イオントラップに移行することと、ステップ(III)および(IV)を繰り返すこととをさらに伴う。] [0017] このような方法は、線形イオントラップからのステップ(IV)のイオンの画分を走査することと、そこから放出されるイオンを検出することとをさらに含み、これによって、本方法は、放出されたイオンからの関連イオンの検出において、空間電荷干渉を実質的に低減する。] [0018] このような方法では、ステップ(IV)および(V)は、第1の4重極または線形イオントラップのいずれかにイオンが残らなくなるまで、1回以上繰り返される。] [0019] このような方法では、ステップ(IV)において操作するステップは、隣接部分が、線形イオントラップの電位よりも低い電位を有するように、線形イオントラップの電位、線形イオントラップに隣接する第1の4重極の一部の電位、またはその両方を調整することを伴う。] [0020] このような方法では、電位の調整の後、第1の4重極の隣接部分の電位は、線形イオントラップの電位よりも少なくとも500mV低い。このような方法では、電位の調整の後、第1の4重極の隣接部分の電位は、線形イオントラップの電位よりも約20V以上低い。] [0021] このような方法では、出口レンズは、イオンがレンズから時期尚早に退出することを阻止するように、LITの残りの要素の電位よりも十分大きい電位に維持される。このような方法では、出口レンズは、線形イオントラップの電位よりも約200V大きい電位に維持される。] [0022] このような方法では、質量分析装置は、3連4重極質量分析計であり、第1の4重極は、Q3を備える。] [0023] このような方法では、ステップ(III)の第1の区域またはステップ(IV)の第2の区域は、線形イオントラップの隣接領域よりも少なくともまたは約0.05V低い電位に維持される。] [0024] さらなる適用範囲は、本明細書に提供する説明により明らかになる。説明および特定の例が、例証目的のためだけに意図され、本開示の範囲を限定することを意図しないことを理解されたい。] 図面の簡単な説明 [0025] 本明細書に説明する図面は、例証目的のためだけのものであり、本開示の範囲を限定することを決して意図しない。 図1は、3連4重極質量分析計の4重極3(Q3)とその出口レンズとの間に位置する井戸変調器線形イオントラップ(LIT)の補助電極補充バージョンの実施形態を図示する。図示する電位プロファイルは、LITを充填するために光学系に印加される例示的電位を示す。 図2は、LITからのイオンを走査するために出口レンズの電位を低下させる直前にLITに印加される電位を図示する電位プロファイルを提示する。Q3は、−22Vに維持するように示される。 図3、すなわち、図3A〜図3Dは、例示的実施形態を示す一連の電位プロファイルを図示し、本例示的実施形態において、電位は、LITにおけるイオンの数を制限するように印加される。Q3は、−22Vに維持するように示される。図3Aは、ある時間の間LITが充填された後の、図1の例証に従って印加される電位を示す。本ステップでは、多数のイオンがLITに入っている。次のステップの図3Bでは、補助電極上の電位は、200Vから−20Vに増加し、LITの電位オフセットは0Vに上昇する。これにより、補助電極の領域における小トラップ電位の形成がもたらされる。イオンの全てが、このトラップ電位に適合することは不可能であり、結果として、イオンの画分は、電位オフセットが低いままであるQ3領域に戻って流れる。これにより、2つの別々のトラップゾーンにおいて2つの個別のイオン集団がもたらされる。これは、図3Cに示される。次のステップにおいて、補助電極に印加される電位を、再び200Vに増加し、図3Dに示すように、右側の出口レンズに向かって移動するように小トラップ電位にあるイオンを押し出す。この時点で、LIT上の電位は、LITからのイオンを走査する直前のステップにおいて使用される電位にある。図2と図3Dとの間の主な違いは、LITにおけるイオンの数の減少である。 図4、すなわち図4Aおよび図4Bは、Agilent社のチューニング混合物から得られる622m/zイオンについての質量スペクトルを提示する。両方の図面の左の列は、図1および図2に図示する通常のトラップ充填シーケンスを使用して得られた質量スペクトルを示す。右の列は、図3に図示する充填シーケンスを使用して得られた質量スペクトルを示し、この場合、LITの容量は、井戸変調器4重極の動作によって効果的に制限されている。Agilentチューニング溶液の4つの希釈を使用し、希釈については各図面に注釈が付けられている。各事例における充填時間を0.3ミリ秒に設定した。新しい技法に関する便益は、図4Bに示す1/10および1/1の希釈について明示される。 図4、すなわち図4Aおよび図4Bは、Agilent社のチューニング混合物から得られる622m/zイオンについての質量スペクトルを提示する。両方の図面の左の列は、図1および図2に図示する通常のトラップ充填シーケンスを使用して得られた質量スペクトルを示す。右の列は、図3に図示する充填シーケンスを使用して得られた質量スペクトルを示し、この場合、LITの容量は、井戸変調器4重極の動作によって効果的に制限されている。Agilentチューニング溶液の4つの希釈を使用し、希釈については各図面に注釈が付けられている。各事例における充填時間を0.3ミリ秒に設定した。新しい技法に関する便益は、図4Bに示す1/10および1/1の希釈について明示される。 図5は、10ミリ秒から1000ミリ秒までのトラップ充填時間の関数としての、622m/zについての質量スペクトルを提示する。不希釈試料を使用して、データを入手した。データにおいて空間電荷干渉の徴候はない。 図6は、従来の充填手順を使用して得た例示的質量スペクトル(上側フレーム)と、本明細書に開示する手順の実施形態を使用して得た別の例示的質量スペクトル(下側フレーム)とを示す。両方について、Agilent社のチューニング溶液の1/100希釈を使用し、各事例における充填時間は、200ミリ秒に設定された。質量範囲は、100から350m/zであり、幅広い質量範囲において本技法を用いることが可能であることが実証された。 図7は、電位井戸が本明細書の線形イオントラップにおいて生成可能である2つの例示的フォーマットを図示する。線形イオントラップ4重極要素(1、10)は、電位井戸(4、40)を形成可能であるLITの区域(3、30)を画定する異なって増強されるゾーン(2、20)を含むことが可能である。点線は、図示するフォーマットが同一または異なるLIT4重極組立体において存在可能であることを示す。矢印は、LIT入口からLIT出口までのイオンの流れの方向を図示し、その方向を考慮して、上流壁(5A、50A)および下流(5B、50B)壁により画定される壁が示される。これらの説明は、非限定的であり、例えば、電位井戸を画定する壁は、同一または異なる電位を有することが可能であり、井戸変調器4重極内における異なる井戸は、同一または異なる電位を有することが可能である。同様に、所与の井戸の深さまたは所与の壁の高さは、任意の所与のイオン分析中に変更可能であり、種々の実施形態では、これらの特徴は、分析中に、LITに一時的にだけ存在する。] 図1 図2 図3A 図3B 図3C 図3D 図4A 図4B 図5 図6 実施例 [0026] 以下の説明は、本質的に単に例示的であり、本開示、用途、または使用を制限するように意図されない。] [0027] 本明細書において用いる手法は、イオントラップを利用し、この場合、イオントラップの他の要素の電位よりも低い低電位の1つ以上の領域を形成することが可能である。イオントラップが4重極ベースのイオントラップである種々の実施形態では、本明細書の方法は、「井戸変調器4重極」を利用することが可能である。] [0028] したがって、本明細書の線形イオントラップのいくつかの実施形態の要素を説明するために本明細書において使用する際、用語の「井戸変調器4重極」は、少なくとも2つの異なる増強ゾーンを有するか、またはそれを有するように補充される4重極組立体を指す。これらの異なるゾーンは、異なる度合いの増強を呈することが可能であり、これは、これらのゾーンが、独立して増強される電極区分もしくは独立して増強される補助電極等の、独立して増強される要素であるか、またはそれを備えるからであるか、あるいは、裸電極表面と抵抗塗膜された電極表面等の異なる材料、または区分4重極における異なる材料の区分を備えるからであり、例えば、交互電極/絶縁体が挙げられ、この場合、絶縁体は、金で塗膜されるセラミック棒の組のように、イオンに対して高度に「可視的」ではなく、金を含まない薄いバンドは例外とする(例えば、裸バンドは、金塗膜のレーザーアブレーションにより形成可能である)。したがって、本明細書の井戸変調器4重極は、補助電極補充4重極、区分4重極、抵抗塗膜ロッドを有する4重極、または異なる増強ゾーンを提供する任意の他の構成を備えることが可能である。] [0029] 本明細書の井戸変調器4重極内で形成される電位井戸は、LIT内における増強ゾーンを、そのゾーンに隣接するLITの領域の電位よりも低い電位に維持することによって形成され、いくつかの実施形態では、電位井戸は、残りのLITの電位よりも低い電位でLIT内において増強ゾーンを維持することによって形成可能である。図7は、線形イオントラップ内において電位井戸を得ることが可能である2つの異なるフォーマットを図示する。このような井戸は、LITの異なって増強されるゾーンの電位を減少させることによって、または隣接ゾーンの電位を上昇させることによって、またはその両方によって形成可能である。] 図7 [0030] 各井戸は、その井戸がLITの隣接領域の電位よりも低い電位を有することによって画定される。電位のより高いこのような各領域は、本明細書において「電位壁」と呼ばれることが可能である。各井戸は、このような1つの「上流」壁であって、LIT出口レンズから遠位にある「上流」壁と、このような1つの「下流」壁であって、出口レンズに対して近位にある壁とを有することが可能である。同様に、各井戸と、その中に井戸を形成するように操作可能である(例えば、その中に内在する)各LITゾーンとは、上流端および下流端を有すると考えられることが可能である。] [0031] 上で示唆されたように、本明細書の種々の実施形態では、井戸変調器4重極は、線形イオントラップ、例えば、3連4重極(QqQ)質量分析計等の質量分析計の線形イオントラップにおいて使用される。このような実施形態では、線形イオントラップ4重極のロッドは、線形イオントラップの技術において有用である円形、楕円形、卵形、双曲線、または任意の他の幾何学的形状である断面を有することが可能である。ロッドは、線形イオントラップ(LIT)の中心軸を中心に半径方向に一定の間隔で配置される。ロッドが、テーパ状の端部を有する断面を有する場合、そのテーパ状の端部は、典型的には、線形イオントラップの中心軸に向かって配向されるが、他の配向を使用することが可能である。] [0032] 付加的または代替的に、電極は、その長さに沿ってテーパ状の輪郭を有することが可能であり、電位が電極に印加されると、電極の長さに沿って、例えば、4重極の長さに沿って軸勾配が産生される。使用する場合、2つまたは4つのテーパ状の電極の組が、典型的には、軸勾配を4重極に沿って産生することが可能になるように4重極のロッドの間に載置される。種々の実施形態では、2つのテーパ状電極、例えば、リニアック電極と、2つの非テーパ状T字形棒の組み合わせを、LITの同一ゾーンにおいて用いることが可能である。このような実施形態では、非テーパ状T字形棒は浅井戸を提供し、一方、テーパ状の輪郭の電極は、本明細書の方法の異なるステップにおいて、井戸からLITの出口端部にイオンを移動させる。] [0033] いくつかの実施形態では、本明細書の井戸変調器4重極を備えるLITは、QqQ質量分析計において、第1の4重極と第2の4重極との間、または第2の4重極と第3の4重極との間に位置することが可能であるか、またはその第3の4重極として、もしくはその後に位置することが可能である。典型的には、井戸変調器4重極ベースのLITは、QqQ質量分析計の最終質量分析4重極(Q3)と、その出口レンズとの間に位置することが可能である。] [0034] 井戸変調器4重極は、補助電極、区分4重極ロッドの組、抵抗塗膜、およびそれらの組み合わせのうちの1つ以上を有する4重極組立体等の、種々のフォーマットで構築可能である。] [0035] 本明細書のいくつかの実施形態では、井戸変調器4重極は、1つ以上の組の独立して増強される補助電極を備えることが可能である。補助電極は、補助棒、補助カラー、または他のフォーマットの形式を有することが可能である。補助電極補充線形イオントラップの種々の実施形態では、所与の組の棒において使用する補助電極は、円形、楕円形、卵形、双曲線、T字形、Y字形、楔形、涙滴状、または補助電極の技術において有用な任意の他の幾何学的形状である断面を有することが可能である。補助電極が、T字形もしくはY字形電極の主要脚部等のテーパ状端部を有する断面を有する場合、または楕円形、卵形、楔形、もしくは涙滴状電極の幅の狭い部分を有する場合、種々の実施形態では、そのテーパ状端部は、線形イオントラップの中心軸、例えば、LIT4重極の中心軸に向かって配向可能である。] [0036] 使用する場合、補助電極は、LITの周囲に一定の間隔で分配して、例えば、2つまたは4つを1組にして配置される。典型的には、4つの組を使用する。いくつかの実施形態では、所与の組において使用される補助電極は、カラーの形式を取ることが可能であり、各カラーは、LIT4重極ロッドの区分を囲み、そこから独立して増強される。典型的には、セラミックのカラーを使用する場合、カラーの長さに沿って、電位を印加可能である4つの伝導ストライプを有する。固体金属カラーを使用する実施形態では、電極は1つだけしか存在しないが、効果は、同一の電位に維持される4つの別々の電極と同一であり、これは、LITのロッドが、LITの内部(イオンが保管される)を、ロッドの後方のカラーの部分から遮断するからである。棒またはカラーは、LIT4重極ロッドと同一の材料から、またはLIT4重極ロッドとは異なる材料から作製可能である。いくつかの実施形態では、3つ以上の組の補助電極が、井戸変調器4重極に存在することが可能である。これらは、LIT4重極の別々のゾーンまたは重複ゾーンに沿って配置可能である。2つ以上の組の補助電極が存在する場合、このような組は、組の間で同一または異なる形状、サイズ、または材料組成を有する電極を備えることが可能である。] [0037] したがって、いくつかの実施形態では、井戸変調器4重極は、(1)1つの4重極ロッドの組と、4重極ロッドよりも短い少なくとも1つの組の4つの短い補助電極であって、短い電極の各々は、その組において他方の短い電極に実質的に平行に配置され、短い電極の各々は、4重極の異なる対のロッドの間の空間に位置し、線形イオントラップ4重極内に短い線形領域を形成するもの、(2)少なくとも2つの区分の区分4重極であって、(1)の補助電極の各組または(2)の各区分は、その残りの要素から独立して電気的に増強され、その結果、4重極組立体は、少なくとも2つの独立して増強されるゾーンを含むもの、を備える組立体であることが可能である。4重極組立体の異なるゾーンは、その一部である線形イオントラップ内において3つ以上の電位井戸を形成するように動作することが可能である。電位井戸は、線形イオントラップの少なくとも2つの異なる区域において、相互に交互にまたは同時に形成可能であり、これらの区域は、線形イオントラップのイオン源(A)に近い近位区域(PS)と、線形イオントラップのイオン出口ポート(B)に近い遠位区域(DS)とを含む。PSは、PS井戸を形成するように動作可能であり、DSは、DS井戸を形成するように動作可能である。種々の実施形態では、イオン源(A)は、質量分析計の4重極連続体であることが可能であり、イオン出口ポート(B)は、質量分析計のレンズであることが可能である。動作中、井戸変調器4重極線形イオントラップを備える質量分析計では、イオン集団が、4重極連続体(A)から、イオントラップの遠位区域(DS)において形成される井戸に装填可能であり、次いで、これらの遠位区域の井戸に存在するイオンは、近位区域(PS)に形成される井戸を通過することによって、連続体(A)に戻って移行することが可能であり、近位区域の井戸は、これらのイオンの画分を保持する。これは、例えば、初めにDS井戸を形成し、連続体(A)からDS井戸にイオン集団を装填し、PS井戸を形成し、DSの電位をPS井戸の電位よりも大きく、かつ出口レンズの電位よりも小さいレベルまで増加させることによって達成可能であり、次いで、イオンは、PS井戸を横断して、適切に増強される連続体(A)に戻って移行することが可能である。PS井戸の電位が、その周囲の電位よりも「浅い」プロファイルを有する場合、PS井戸の電位は、DS井戸から連続体(A)にPS井戸を通過するイオン集団の画分を保持することが可能である。次いで、DS電位およびPS電位を操作して、出口レンズ(B)への供給前に、イオンの画分をPS井戸からDS井戸に移行することが可能である。代替として、イオン集団の画分は、出口レンズへの供給前に、例えば、フラグメンテーションによってイオントラップにおいてさらに処理可能である。] [0038] いくつかの実施形態では、本明細書の井戸変調器4重極は、2つまたは3つ以上の区分に分離される区分LIT4重極を備えることが可能である。少なくとも1つのこのような区分は、井戸変調器4重極における他の要素の電位とは異なる電位を呈し、例えば、井戸変調器4重極の他の要素から独立して増強される。] [0039] いくつかの実施形態では、区分LIT4重極の異なる組の区分または異なる組の補助電極等の、井戸変調器4重極の要素は、LIT井戸変調器4重極の他の要素から独立して増強されるが、単一のソースからの共通電圧の印加によるか、または同一の電位を呈するように動作されるかにかかわらず相互に共増強可能である。] [0040] 本明細書のいくつかの実施形態では、井戸変調器4重極は、LIT4重極ロッドの組を備えることが可能であり、そのロッドは、その少なくとも1つの区分の表面に適用される抵抗塗膜を有する。例えば、このような塗膜は、LITの中心軸に向かって配向されるロッド面の一部等のロッドの側方面に位置することが可能であるか、またはロッドの区分の半径方向表面の周囲にバンドを形成することが可能である。また、抵抗塗膜の他の配置も使用可能であり、塗膜の組における塗膜毎の塗膜の位置は、LITの周囲の一定間隔で半径方向の配置の観点からは同一である。] [0041] いくつかの実施形態では、抵抗塗膜は、ロッド表面に接合されるガラスまたは他のガラス質材料を備えることが可能である。いくつかのこのような実施形態では、抵抗塗膜は、塗膜材料をロッド表面に焼きなましすることによって形成可能である。いくつかの実施形態では、塗膜材料は、ケイ酸塩ガラス、含鉛ガラス、例えば、PbO−B2O3−AI2O3−SiO2、シリコーンカーバイト、または窒化ケイ素であることが可能であるか、またはそれを備えることが可能である。いくつかの実施形態では、塗膜は、ガラス質フリット材料において分散される金属酸化物またはカーボン粒子の混合物から形成可能である。例えば、これは、ケイ酸プレガラス等のプレガラス粒子において分散される約50重量%以下の粒子状金属酸化物および/または炭素の混合物から形成可能である。金属酸化物は、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)、酸化鉄(Fe2O3)、2酸化チタン(TiO2)、酸化カドミウム(CdO)、酸化クロム(Cr2O3)、酸化銅(Cu2O、CuO)、酸化インジウム(In2O3)、または酸化バナジウム(V3O5)、混合金属酸化物、例えば、チタン−クロム酸化物(TiCr2O4)、またはそれらの組み合わせのうちのいずれかであることが可能であり、炭素は、例えば、黒鉛であることが可能であり、それらの組み合わせを使用することが可能である。また、有用な抵抗塗膜は、参照により本明細書に組み込まれるForemanらへの米国特許第4,124,540号およびSpindtへの米国特許第5,746,635号において説明されるものも含む。いくつかの実施形態では、塗膜は、黒鉛から形成可能であるか、または例えば、参照により本明細書に組み込まれるMaleyらへの米国特許第3,791,546号に説明されるような塗膜等の、金属酸化物および黒鉛の混合物から形成可能である。] [0042] いくつかの実施形態では、LIT4重極ロッド区分、補助電極補充、抵抗塗膜、および/または他の異なって増強するフォーマットの組み合わせを、本明細書の井戸変調器4重極において使用することが可能である。任意の所与のゾーンでは、所与の組の補助電極の電極、あるいは所与の組のこのような区分のもしくは抵抗塗膜要素または塗膜要素は、協調的に動作可能であり、本明細書の方法では、LIT内においてLITの他の要素の電位よりも高い電位領域または低い電位領域を形成するように動作する。このようなゾーン内の低電位領域を、本明細書の種々の実施形態において、井戸または「電位井戸」と呼ぶことも可能である。] [0043] 任意のこのような実施形態を使用して、LITにおいて異なって増強されるゾーンであって、電位井戸を形成可能であるLIT区域を画定するゾーンを提供することが可能である。本明細書の種々の実施形態に従って井戸が形成される場合、その電位は、LITの隣接ゾーンの電位よりも低い。差異は、イオンの所望の画分を保持するのに十分大きいが、質量分析計の上流4重極連続体、すなわち、質量分析計の4重極連続体の下流にLITが位置する場合の場所に、過剰イオンが戻るのを可能するのに十分小さくなるように、ユーザによって判断される。井戸とその隣接ゾーンとの間の電位差は、井戸に保持される全電荷に依存し、全電荷は、イオンの数および各イオンの電荷に依存する。種々の実施形態では、電位差は、典型的には、例えば、約500mVから約50Vであることが可能であり、いくつかの実施形態では、これは、少なくともまたは約1、2、5、または10Vであり、最大または約25、20、または15Vであることが可能である。20Vは、いくつかの実施形態において有用な電位差である。20V(データを提供する実験において、電位はリニアック電極に印加される)を印加する場合に生成される井戸の深さは、その最深点において約0.06Vである(図3BにおけるデルタV2)。これは、リニアック電極によって生成される軸上DC電位である。リニアック電極は、その最近接点においてLITの中心軸から10mm離隔して存在する(電極がその中心軸に近ければ、軸上DC電位は、リニアック電極に印加する同一の20Vについてより大きくなる)。井戸の深さは、熱運動化されるイオンの保持に十分であるべきであり、これは、井戸の深さが少なくとも0.026Vであることを意味する(0.026eVは、熱エネルギーに相当する)。リニアック電極が200Vの印加電位を有する場合、軸上電位は、約0.6V(図3AにおけるデルタV1)であり、これは、空間電荷条件下でLITにイオンを保持するのに十分な障壁である。] 図3A 図3B [0044] 区分LITを用いる実施形態では、区分に印加されるDC電位は、すぐ近くの区分に印加されるDC電位の畳み込みを反映する。すなわち、区分が比較的長いのであれば、印加されるDCオフセットは、障壁の高さ(または井戸の深さ)になる。区分が短くなると、DC電位は、その近傍区分からいくらか影響を受ける。補助電極は、より大きな印加電位を用いて、より小さい電位が区分LITに印可される場合に認められる同一の軸上電位を産生する。また、電位を区分ロッドに印加することは、補助電極を使用する場合に、LITロッドによる電位の遮蔽の問題を回避する(しかしながら、イオンがフィールド半径の50%を超える半径方向の振幅である場合にのみ遮蔽は問題になる)。当業者が理解するように、絶対電圧の選択は、井戸の形成のために選択される電極設定に依存する。種々の実施形態では、電位差は、LITからの過剰イオンの移行中に、イオンのフラグメンテーションの発生を回避するのに十分小さい。4重極連続体の上流(隣接)部分に戻るLIT装填イオンの移行を達成する目的で、井戸変調器LITが質量分析計4重極連続体の後に位置する実施形態では、その上流にある隣接部分の電位は、LITにおける電位井戸の形成について上述した電圧差だけ、線形イオントラップの電位よりも低くなることが可能である。] [0045] トラップ電位の深さは、トラップの軸に沿った電位差によって制御される。電位差が大きいと、より多くのイオンを保持するより深い電位井戸がもたらされる。これらの電位を調整する能力により、近位井戸が保持可能であるイオンの数を調整することが可能になる。動作中、ユーザは、予備試験を実行して、空間電荷の効果が所与の分析において問題を提示しているか否か、すなわち、電位井戸が深いために、所望の分析について保持されるイオンが多過ぎるか否かを判断することが可能である。問題が見つかる場合は、ユーザは、例えば、分析に適切な減少した数のイオンを保持するように、近位井戸の深さを減少させることができる。種々の実施形態では、電位井戸は、イオントラップの隣接領域の電位に対して、深さが約0.025Vまたは0.026V以上になるように形成可能である。種々の実施形態では、この深さは、約0.03、0.04、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、もしくは0.5以上であることが可能である。いくつかの実施形態では、井戸の深さは、約1V以上であることが可能である。種々の実施形態では、井戸の深さは、約10、5、2、1、0.9、0.8、0.7、0.6、または0.5V以下であることが可能である。このような井戸は、隣接LIT領域の電位よりも低い値にその電位を維持することによって形成される。] [0046] 種々の実施形態では、本明細書の井戸変調器4重極を備えるLITは、質量分析計の出口レンズに隣接して位置することが可能である。出口レンズは、LITの要素の電位よりも大きい電位に維持される。出口レンズと隣接LIT要素との間の電位差は、イオンのレンズからの退出をこの退出が所望されるまで阻止するのに十分大きい値になるように、ユーザにより選択される。典型的には、出口レンズは、LITの要素よりも、または少なくとも隣接(上流)LIT要素から約1Vから約500V大きい。LIT電位オフセットに対する出口レンズにおける電位は、イオンのLIT進入時のイオンの軸方向運動エネルギーよりも大きい。典型的には、イオンがQ2衝突セルを出る場合、イオンは熱運動化されており、極めて低い運動エネルギー(0.025eV)で衝突セルを出る。次いで、下流光学系における電位差は、イオンの運動エネルギーを決定し、LITの電位オフセットは、最も重要である光学系である。したがって、LITとQ2衝突セルとの間の電位差は、LITにおけるイオンの軸方向運動エネルギーを決定するものである。出口レンズは、このエネルギーよりも大きい印加電位を有する。種々の実施形態では、単に、多くの実施形態では、典型的にはLITから走査される任意のイオンに対して出口レンズに印加される電圧よりも大きいという理由により、200Vの出口レンズ電位は有用である。したがって、出口レンズは、全てのLIT要素または少なくとも隣接LIT要素の電位よりも、例えば、少なくともまたは約5、10、20、50、もしくは100V、および最大または約500、400、300、もしくは250V大きい電位に維持することが可能である。種々の実施形態では、これは、200Vの差異であることが可能である。一般に、出口レンズの電位差は、比較的高く、例えば、約100V以上に設定される。] [0047] 本明細書の質量分析方法は、種々の実施形態では、(a)質量分析計のQ3ロッド組と出口レンズとの間に短い線形イオントラップを提供するステップと、(b)イオンを短い線形イオントラップ内に提供するステップと、(c)短い線形イオントラップにおいて、第1のトラップ領域(小トラップ電位)を提供するステップと、(d)第1のトラップ領域(小トラップ電位)においてイオンを蓄積するステップと、(e)第1のトラップ領域(小トラップ電位)からの過剰イオンが第2のトラップ領域(Q3領域)に移動するように、第2のトラップ領域(Q3領域)を生成するステップとを伴うことが可能である。このような方法は、第1のトラップ領域、すなわち小トラップ電位を有する領域においてイオンを走査および検出するステップをさらに含むことが可能である。このような方法は、ステップ(c)において、空間電荷効果を受けずに質量スペクトルを生成するために、所望の数のイオンを含む電位井戸を産生するように最適化される電位を有する第1のトラップ領域(小トラップ電位)を形成するステップを伴うことが可能である。] [0048] LITは、ある時間の間充填される。図3Aは、LITがある時間の間充填された後の時点における実施形態を図示する。充填ステップが完了すると、イオンは、例えば、走査が実行され、かつLITのさらなる充填が所望されるまで4重極に進入しなくなる。] 図3A [0049] 本明細書の種々の実施形態では、LITから4重極上流に戻る過剰イオンは、その中に保持可能である。いくつかの実施形態では、これらのイオンは、過剰イオンを除去するために、本明細書の方法に従って、次回の処理のために井戸変調器4重極ベースのLITに再充填可能である。次いで、2回目にLITに残る再充填されたイオンの画分は、検出するために走査可能である。このような処理は、保持されたイオンを使用して、必要な回数繰り返し可能であり、これは、過剰イオンの全てがトラップから走査されるまで繰り返し可能である。これにより、イオンの新しい集団を質量分析計内に装填する追加のステップを必要とせずに、複数回、例えば、2回または3回の試料測定が可能になる。] [0050] 種々の実施形態では、近位井戸は、近位端における線形イオントラップの周囲のリニアック電極の組における電位を減少させるとともに、線形イオントラップオフセット電位を増加させることによって形成可能である。増加した線形イオントラップ電位と減少したリニアック電極の電位との合計により、4重極の電位よりも高い電位である井戸が生成される。代替として、4重極オフセット電位とリニアック電極電位とを低下させることによって同一の効果を達成することが可能である。] [0051] 異なるLIT部分の異なる材料構成により画定される2つの異なるトラップ領域の使用に関連して上記実施形態について説明したが、トラップ4重極の2つの異なる部分において軸方向電位を単に操作することによって2つの異なるゾーンを生成可能である代替実施形態も想定される。したがって、いくつかの代替実施形態では、イオンは、例えば、図3Aに図示するように、まず、LITを充填することが可能である。次いで、次のステップにおいて、図3Bにおいて形成される井戸の代わりに小障壁を形成するために、4重極に最も近いT字形棒、リニアック電極、または他の増強要素により形成される障壁を低下させるように実装することが可能である。これにより、出口レンズに近い電位ゾーンにおいてトラップされるイオンの画分が出されて、過剰イオンは、障壁またはLIT電位よりも電位が低い上流4重極(例えば、Q3)に移動する。上述のようなプログラム可能な制御器は、本明細書のこのような簡略化された代替方法の動作のためにプログラミングされるように容易に修正可能である。] 図3A 図3B [0052] いくつかの代替実施形態では、LITは、レンズ、例えば、第1の4重極に近位に位置する「入口」レンズを備えることが可能である。このようなレンズは、本明細書の井戸変調器4重極の2つの電位操作可能なゾーンのうちの1つとしての役割を果たすことが可能である。動作中、レンズ電位は、過剰イオンが第1の4重極内に戻って移動可能になるように低下させることが可能であり、これによって、空間電荷が低減する。残りのLITは、いくつかのこのような実施形態において、異なって増強される他方のゾーンとしての役割を果たすことが可能である。] [0053] 入口レンズを含む実施形態では、イオンが線形イオントラップを充填した後に、レンズにおける電位は、線形イオントラップ部分にイオンを閉じ込めるように上昇され得る。次いで、第1の4重極における電位を低下させ得る。次に、レンズにおける電位を、線形イオントラップの電位よりも少し高い電位まで低下させて、線形イオントラップ領域において浅井戸を形成することが可能である。次いで、過剰イオンが、線形イオントラップから第1の4重極に戻って流れることが可能である。次いで、線形イオントラップをイオンが退出または進入することを防止するために、レンズにおける電位を上昇させ得る。次いで、線形イオントラップ中のイオンを質量分析する。] [0054] このような実施形態では、4重極の物理的部分以外のLITの要素のうちの1つは、井戸変調器4重極の2つの電位操作可能ゾーンのうちの1つとしての役割を果たす。いくつかの実施形態では、レンズの電位を操作する代わりに、補助電極の組の電位を低下させることが可能であり、一方、所望のイオンは、LITの遠位区域に保持され、過剰イオンが第1の4重極内に戻って移行可能になるように障壁が十分低くなるまで、補助電極電位を低下させる。このような実施形態では、トラップ電位は、依然として遠位区域にある。] [0055] 同様に、いくつかの代替実施形態では、LIT出口レンズは、LITの2つの電位操作可能ゾーンのうちの1つとしての役割を果たすことが可能であり、動作中、いくつかの実施形態では、出口レンズは、LITに装填されている過剰イオンが、空間電荷を減少させるために出口レンズを単に通過することを可能にするように操作可能であり、次いで、LITに残存するイオンを走査することが可能である。いくつかのこのような実施形態では、残りのLITは、異なって増強される他方のゾーンとしての役割を果たすことが可能である。] [0056] 本明細書のいくつかの実施形態では、このような代替特徴、例えば、軸方向電位操作、「入口レンズ」操作、および/または出口レンズ操作を、上述の井戸変調器4重極LITと併用することが可能である。] [0057] (実施例) 実験。全ての実験は、改良型4000Q Trap(Applied Biosystems, FosterCity, CA, USAの質量分析システム)において、Q3ロッドの組と出口レンズとの間に位置する短い線形イオントラップ(SLIT)を使用して実行される。これは、充填ステップ中に各光学系に印加される電圧とともに、図1に図示される。補助電極に印加される電圧は、本ステップ中、200Vであり、SLITの軸に沿ってΔV1の追加の電位を産生する。イオンは、+によって示される。SLITの充填中、イオン通路の長さに沿った電位は、可能な限り多くのイオンがSLITに入るように調整される。SLITが充填された後、SLITにおけるロッドオフセットは、0Vまで上昇し、Q3における電位は、低いままである(図2参照)。これは、走査ステップ中に、Q3に残存するエネルギーイオンがSLIT中に移行することを防止する。イオンは、Q Trap製品の全てにおいて利用可能である質量選択軸方向放出(MSAE)の技法を使用して、SLITから走査される。イオンは、312kHzの放出周波数と816kHzの駆動周波数とを使用して、q=0.85でSLITから走査される。] 図1 図2 [0058] 標準的なチューニング混合物(Agilent Technologies, Santa Clara, CA, USAから入手可能)を使用して、これらの実験にイオンを供給する。1:10、1:100、および1:1000の希釈を使用し、図面において1:1と示す不希釈サンプルも使用する。試料は、7.0μl/minで注入される。充填時間は、0.3ミリ秒から1000ミリ秒まで変動する。結果は図4〜図6に提示され、図6は、本方法の種々の実施形態が、幅広い種類の試料濃度および条件下で調査走査を使用する能力を提供することを明示する。本技術の実施形態は、多数の異なる質量分析計との使用およびイオントラップを備える他のシステムとの使用に適用可能である。] 図6 [0059] 図示する実験設定およびデータは、単に、技法を実装可能である方法の一例である。外部(補助)電極の組、区分ロッド組等の使用等によって主要なトラップ電位内における弱トラップ電位を多種多様の方式で提供することが可能である。一方法では、イオンが4重極内に閉じ込められる場合に、4重極支持カラー上の伝導性ストライプに引力電位を印加してもよい。次のステップにおいて、過剰イオンが出るように、主要トラップからの出口を提供する。トラップに残存するイオンのみが、弱いトラップ電位に含まれるイオンである。過剰イオンを除去した後に、残存イオンを、トラップからのイオンの走査中に従来使用していた条件にするように電位を再確立することが可能である。弱いトラップ電位の深さを最適化して、空間電荷の歪み効果を受けずに質量スペクトルを生成するのに十分である所望の数のイオンのみを含む井戸を産生することが可能である。]
权利要求:
請求項1 第1の4重極と、出口レンズと、該第1の4重極と該出口レンズとの間に配置されている線形イオントラップとを備え、該線形イオントラップは、該線形イオントラップの少なくとも2つの異なる区域を画定する少なくとも2つの異なって増強されるゾーンを備えている井戸変調器4重極を有し、該線形イオントラップは、該線形イオントラップの少なくとも2つの異なる区域において交互または同時に電位井戸を形成するように動作可能であり、該区域は、該第1の4重極に近い近位区域と、該出口レンズに近い遠位区域とを含み、該線形イオントラップは、イオン集団が該第1の4重極から該遠位区域に形成されている井戸内に装填されることが可能であるように動作が可能であり、該井戸変調器4重極の異なって増強されるゾーンの電位の操作によって、これらのイオンのいくつかは、該近位区域に形成される井戸を通過することによって、該第1の4重極に戻されることが可能であり、該近位区域井戸は、これらのイオンの画分を保持し、これによって、該線形イオントラップの過剰充填を防止する、質量分析装置。 請求項2 前記線形イオントラップに協働し得るように連結されているプログラム可能な制御器をさらに備え、該制御器は、該制御器のための命令を備えるアルゴリズムでプログラミングされ、(1)該線形イオントラップを、前記第1の4重極の電位よりも低い電位に保持し、該線形イオントラップの遠位区域における電位井戸が、該線形イオントラップの近位区域の電位未満の電位を有し、これによって、該第1の4重極から該線形イオントラップへのイオンの移行を可能にすることと、(2)該線形イオントラップの電位を、該第1の4重極の電位よりも高いレベルに上昇させ、該近位区域の電位を減少させて、該近位区域の上流端部において、より高い電位壁により部分的に画定される近位区域井戸を形成することと、(3)該遠位区域井戸の電位を、該壁の電位とほぼ同じか、またはそれを上回るレベルまで上昇させて、これにより、該遠位区域井戸から該第1の4重極にイオンを移行し、該遠位区域井戸から該近位区域井戸に該イオンの画分を移行することとによって、該線形イオントラップの該区域の電位を、前記出口レンズの電位未満のレベルで操作する、請求項1に記載の装置。 請求項3 前記アルゴリズムは、(4)ステップ(3)の後に、前記近位区域の電位を上昇させるか、前記遠位区域の電位を減少させて、該近位区域から該遠位区域にイオンを移行する命令をさらに備えている、請求項2に記載の装置。 請求項4 前記アルゴリズムは、(5)ステップ(4)の後に、検出器における検出のために、前記線形イオントラップからのイオンを走査する命令をさらに備えている、請求項3に記載の装置。 請求項5 前記アルゴリズムは、ステップ(1)〜(3)を繰り返す命令をさらに備え、ステップ(3)により前記第1の4重極に戻された結果として、該第1の4重極に保持されているイオンの装填および処理を可能にする、請求項2に記載の装置。 請求項6 前記プログラム可能な制御器は、前記第1の4重極に協働し得るようにさらに連結され、該制御器は、該制御器が該第1の4重極の電位を操作する命令を備えるアルゴリズムによりプログラミングされる、請求項2に記載の装置。 請求項7 前記井戸変調器4重極は、1つのトラップ4重極ロッド組と該トラップ4重極の該ロッドよりも短い少なくとも1つの組の4つの短い補助電極とを有する補助電極補充4重極ロッド組を備え、短い電極の各々は、その組の他の短い電極に実質的に平行に配置され、該4重極の異なる対のロッドの間の空間に位置し、該1つの組の短い電極は、前記線形イオントラップ4重極内の短い線形ゾーンを形成するために、前記出口レンズの平面から軸方向に等距離に、かつ該トラップ4重極の中心軸から半径方向に等距離に位置し、補助電極の各組は、前記線形イオントラップの他の要素から独立して電気的に増強され、これによって、該トラップ4重極ロッド組に沿って、少なくとも2つの異なって増強されるゾーンを画定する、請求項1に記載の装置。 請求項8 前記補助電極は、T字形の断面を有する、請求項7に記載の装置。 請求項9 前記井戸変調器4重極は、少なくとも2つの区分の区分4重極を備え、各区分は、前記線形イオントラップの他の要素から独立して電気的に増強され、これによって、該区分4重極に沿って少なくとも2つの異なって増強されたゾーンが画定される、請求項1に記載の装置。 請求項10 (A)前記2つの区域のうちの1つは、前記出口レンズであるか、または(B)前記線形イオントラップは、入口レンズをさらに備え、該2つの区域のうちの1つは、該入口レンズである、請求項1に記載の装置。 請求項11 (I)機器の第1の4重極と、該機器の該出口レンズとの間に位置する線形イオントラップを有する質量分析装置を提供することであって、該線形イオントラップは、該第1の4重極に近い近位区域と該レンズに近い遠位区域とを含む少なくとも2つの区域を備え、該区域の各々は、他方の区域とは異なって電気的に増強される、ことと、(II)該第1の4重極から該線形イオントラップにイオンを移行するように、該質量分析計を動作することと、(III)隣接する該線形イオントラップの領域の電位よりも低い電位に維持される該線形イオントラップの第1の区域において、移行されるイオンをトラップすることと、(IV)該トラップ区域から該隣接する第1の4重極へイオンを移行するため、および該線形イオントラップのその隣接領域の電位よりも低い電位に維持される該トラップの第2の区域において該イオンの画分を保持するために、該線形イオントラップ内の電位を調整することであって、該第2の区域は、ステップ(III)における該第1の区域と同一であるか、または異なる、こととを含む、質量分析のための方法。 請求項12 ステップ(II)における前記移行するステップは、前記隣接部分が、線形イオントラップの電位よりも高い電位を有するように、(1)該線形イオントラップと、(2)該線形イオントラップに隣接する前記第1の4重極の一部分との電位を維持することを伴う、請求項11に記載の方法。 請求項13 前記方法は、(V)前記線形イオントラップからのステップ(IV)のイオンの画分を走査することと、該線形イオントラップから放出されるイオンを検出することとをさらに含み、これによって、該方法は、該放出されたイオンからの対象イオンの検出において、空間電荷干渉を実質的に低減する、請求項11に記載の方法。 請求項14 ステップ(IV)において、前記第2の区域は、前記第1の区域とは異なる、請求項11に記載の方法。 請求項15 ステップ(IV)において、前記第2の区域は、前記線形イオントラップの近位区域であり、前記第1の区域は、遠位区域である、請求項14に記載の方法。 請求項16 ステップ(IV)において前記線形イオントラップのトラップ区分から前記第1の4重極に移行されるイオンは、該第1の4重極の中に保持され、前記方法は、該線形イオントラップが走査され該線形イオントラップからイオンを空にした後に、保持されたイオンを該線形イオントラップに移行することと、ステップ(III)および(IV)を繰り返すこととをさらに含む、請求項11に記載の方法。 請求項17 前記方法は、(V)前記線形イオントラップからのステップ(IV)のイオンの画分を走査することと、該線形イオントラップから放出されるイオンを検出することとをさらに含み、これによって、該方法は、該放出されたイオンからの対象イオンの検出において、空間電荷干渉を実質的に低減する、請求項16に記載の方法。 請求項18 ステップ(IV)において前記操作することは、前記隣接部分が、線形イオントラップの電位よりも低い電位を有するように、該線形イオントラップの電位、該線形イオントラップに隣接する前記第1の4重極の一部の電位、またはその両方を調整することを伴う、請求項11に記載の方法。 請求項19 前記電位の調整の後、前記第1の4重極の隣接部分の電位は、前記線形イオントラップの電位よりも少なくとも500mV低い、請求項11に記載の方法。 請求項20 前記電位の調整の後、前記第1の4重極の前記隣接部分の電位は、前記線形イオントラップの電位よりも約20V以上低い、請求項19に記載の方法。 請求項21 前記出口レンズは、イオンが前記線形イオントラップから時期尚早に退出することを阻止するように、該線形イオントラップの残りの要素の電位よりも十分大きい電位に維持される、請求項11に記載の方法。 請求項22 前記出口レンズは、前記線形イオントラップの電位よりも約200V大きい電位に維持される、請求項21に記載の方法。 請求項23 前記質量分析装置は、3連4重極質量分析計を備え、前記第1の4重極は、Q3を備えている、請求項11に記載の方法。 請求項24 ステップ(III)の前記第1の区域またはステップ(IV)の前記第2の区域は、前記線形イオントラップの隣接領域よりも少なくともまたは約0.05V低い電位に維持される、請求項11に記載の方法。 請求項25 (A)前記2つの区域のうちの1つは、前記出口レンズであるか、または(B)前記線形イオントラップは、入口レンズをさらに備え、該2つの区域のうちの1つは、該入口レンズである、請求項11に記載の方法。
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